路上文学賞は、ホームレス状態にある人、または経験した人を対象に、これまでの人生や経験を想像力を通して自分の言葉で表現してもらうために創設されました。
ホームレス問題を社会的課題と捉え全体を見渡す視点とは別に、当事者である「書き手」と多くの「読み手」の人たちが、文学という地平で、書く楽しみと読む楽しみを共有してもらうことが狙いです。簡単に言うと「路上の文化祭」です。
この賞は今年で2回目を迎えますが、第1回は応募作品を読んだ読者やマスメディアの方々から大きな反響をいただきました。
今年は「紙がなくても ええじゃないか」をモットーとし、全国のホームレス支援団体の方々に協力して頂き、多くの作品が寄せられました。
【選者】 星野智幸
1997年、『最後の吐息』(第34回文藝賞)でデビュー。『目覚めよと人魚は歌う』で第13回三島由紀夫賞、『ファンタジスタ』で第25回野間文芸新人賞、2011年『俺俺』で第5回大江健三郎賞を受賞。
(選者のことば)
「路上は、自分の生きる場所でありながら、自分の場所ではありません。
じつは文学も同じです。たとえば、小説は、自分の書きたいことを自分の言葉で書いているはずなのに、それは書いた瞬間に、自分のものではなくなります。読む人がいて、初めて小説として成り立つからです。書く人、読む人が、同じ立場で接しあうわけです。
「文学」という場所は、書いた人の居場所でもなければ、読む人の居場所でもありません。 書いた人が、「おまえら、俺の言葉をわかれ」と命令するのでもなければ、読む人が「私たちにわかる言葉で書いてください」と要求するのでもない。両者が、自分のいる場所から外に出て、少しずつ歩み寄る、誰のためでもない場所なのです。逆に言えば、どんな人でもそこに来てよい場所。だから、文学は路上が似合うのです」
主催 路上文学賞実行委員会
ビッグイシュー基金